最近、UXBC TokyoというWeb系のIA(建築でいう設計士さん)やディレクターを中心としたスペシャリストによるディープな読書会(勉強会)によく参加しています。

今回は、UXBC Tokyoについてご紹介。

UXBC Tokyoとは?

UXBCとはUser Experience Book Clubの略称で、もともとIA Instituteというコミュニティから始まった活動で、今では各国のIA/UX関係者有志により、世界規模の読書会コミュニティとなっています。IA Institute のサイトに世界の活動っぷりを示したイケてる地図がありましたので、以下に拝借。日本も反映されていました。


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日本でのスタートは、2008年末頃、浅野さんが東京支部をスタートされました(僕もその記念すべき第1回読書会に参加者させていただきました)。

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僕から見たこの会の特徴・メリットは以下の通りです。

  • およそインターネットまたはデザインの周辺の方なら、誰でも参加できる
  • 読んで議論したい本があれば、その人が主催者になる
  • 日本のネット界の一流の人と会って話ができる(僕はこれが一番の魅力)
  • 洋書が分担して読める(笑。でも結局全部目を通さないと理解しづらいです)
  • 少し敷居の高い本でも、読書会を締め切りにして頑張って読める

また、第1回参加者募集に関する浅野さんのブログの投稿にもある通り、

UXBC Tokyoは、誰もが参加できるだけでなく、誰もが主催者にもなれる、柔軟かつアジャイルな知識交換の場となってほしいと考えています。

まさにそういった感じです。 僕自身、何度か主催したり参加してますが、毎回参加者の方が経験豊富で博識なので、毎回刺激になっています。

最近、こんな本も紹介いただきました(僕らの仕事は映画界にも先達がいるとは)。

定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー 定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

山田 宏一

晶文社 1990-12-01

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個人的には、この取り組みを通じて日本の生み出すネット系のプロダクト・サービス品質向上に少しでも寄与できたらと思っています。また(UXBC Tokyoでなくとも)、アジアも含めたIA/UX/??系専門家の交流にもつなげていけたらと考えています。

#ところで、アメリカではIA/UXのコミュニティ活動も活発で、関連するカンファレンスも頻繁にあります(IA SummitIxDなど)。このような会は、参加者にとっても登壇者にとっても自分の成長のきっかけになるはずですし、ちょっとした自己実現の場でもあるんじゃないかと(この分野だとあの人だね的な認知だとか)。コミュニティ内での知識共有だけでなく、専門家同士のモチベーションアップにもなり、はたまた人材流通の場にもなるなど、その辺の取り組みぶりは見習うところがありそうです。日本だと、僕が知ってる中ではCSS niteがとてもいい感じにされてますよね。

さて、以下ではUXBC Tokyoの具体的な活動内容として、どんな本を取り上げてきたかをご紹介しますね。

UXBC Tokyoでこれまで読まれた本

カテゴライズは正確ではないかもしれませんが、大体あってるでしょう。

プロトタイピング系

Prototyping – A Practitioner’s Guide

Todd Zaki Warfel

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  • プロトタイピングの方法論やメリット、オススメツールが分かりやすくまとまっています。
  • 僕とデザイナーの方の2名で新宿のミヤマカフェで6時間ぶっ続けで話した思い出の本です。この本自体ははっきり言って軽めの内容なので、全然別の話で盛り上がってましたが。。
ペーパープロトタイピング 最適なユーザインタフェースを効率よくデザインする ペーパープロトタイピング 最適なユーザインタフェースを効率よくデザインする

オーム社 2004-06

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デザイン方法論系

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために

Donald A. Norman

新曜社 2004-10

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  • D.Norman御大による割と有名な本ですね。
  • 人間の認知の仕方の3段階:本能レベル、行動レベル、内省レベルの概念が印象的。僕は参加していないですが関連MLを拝見すると、面白い情報交換があったようです。
Designing for the Digital Age: How to Create Human-Centered Products and Services Designing for the Digital Age: How to Create Human-Centered Products and Services

Alan Cooper

Wiley 2009-02-24

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  • Alan CooperのAbout Face 3の実践版とも言うべき本です。
  • ペルソナを用いたGoal Directed Designの極めて実践的な内容です。プロジェクトの体制、スケジュール、シナリオ、ユーザ分類、クライアントミーティングのアジェンダ等まで、具体的な例を取り上げて詳しく説明されてます。
  • ちなみに700ページのEnglishで、かなりの強者でした。
    #個人的にちょうど今、とても参考にしています。皆さんのレジュメがホント助かる。。
使いやすいソフトウェア―より良いユーザインタフェースの設計を目指して 使いやすいソフトウェア―より良いユーザインタフェースの設計を目指して

富野 壽

構造計画研究所 2005-11

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ユーザ調査、モデリング系

Mental Models – Aligning design strategy with human behavior

Indi Young

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  • 僕はまだ読めてませんが、今すぐ読みたい物の一つ。こちらの読書会に参加しなかったことを、非常に悔やんでおります。
  • Adaptive Pathの創業メンバーによる、ある活動に関する人の行動を効率的に整理する手法の本だと認識してます。

UI系

Search Patterns (Design for Disciple-Making) Search Patterns (Design for Disciple-Making)

Oreilly & Associates Inc 2010-02

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  • つい先日、浅野さんと一緒に主催させていただきました。
  • UI系としてしまいましたが、検索(というかコミュニケーション)に関する深い本で、検索とは?という問いから、実践的なUIのデザインパターン、将来ビジョンまで、深くて重要な洞察がなされていると思いました。
  • こういう本が書けるレベルの方がごろごろいそうなU.S.A.恐るべし。
デザイニング・ウェブナビゲーション ―最適なユーザーエクスペリエンスの設計 デザイニング・ウェブナビゲーション ―最適なユーザーエクスペリエンスの設計

長谷川 敦士 (監訳)

オライリージャパン 2009-05-25

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  • こちらの読書会では、監訳者のコンセント 長谷川さん、浅野さんも参加されるという素晴らしく贅沢な会だった模様です。

制作効率化系

Modular Web Design: Creating Reusable Components for User Experience Design and Documentation (Voices That Matter) Modular Web Design: Creating Reusable Components for User Experience Design and Documentation (Voices That Matter)

New Riders Press 2009-07-04

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  • コンポーネントでサイトを効率的につくるための方法論に関する本です。
  • 日本でも大手企業ならどこでも必ずニーズあると思う。
  • 日本語訳が待たれます。

歴史、読み物系

iPodは何を変えたのか? iPodは何を変えたのか?

上浦 倫人

ソフトバンク クリエイティブ 2007-03-29

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  • 記念すべき第1回読書会の本です。iPodの開発された過程・経緯を知ることが出来ました。
  • この本でも紹介されていたiPodの生みの親のような人物が、最近Appleを退職してたような。(追記0405:Tony Fadell氏でした。CNET JAPANの記事にあります。)
Subject To Change ―予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る Subject To Change ―予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る

高橋 信夫

オライリージャパン 2008-10-27

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  • 僕個人はなぜか英語版を読んでさらりとしか理解してませんが、AdaptivepathのUCD的な方法論がさらりと書いてあったような。

UXBC Tokyoで参加者募集中の本

ウェブアプリケーションのためのユニバーサルデザイン ウェブアプリケーションのためのユニバーサルデザイン

水野 貴明

オライリージャパン 2009-12-19

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  • Twitterでもいわゆるウィッフィーウッフィーが多い@sprmari0(Twitter)さんが主催されてます。
  • なんとソフトバンクのUstream Studioで開催する予定とのこと。
  • 正直、僕も力を入れられている領域ではないのでこれを機に色々知っておこうかと、参加予定です。
Beyond the Usability Lab: Conducting Large-scale Online User Experience Studies Beyond the Usability Lab: Conducting Large-scale Online User Experience Studies

Morgan Kaufmann 2010-01-26

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  • リモートユーザビリティテストの手法に関する本です。
  • 主催者のenjojiさん曰く、「リモートユーザビリティテストの基本的な部分が書かれていると思いますので、それらを俯瞰して実務利用時の情報交換が出来る場になればと思っています。」とのことです。
Remote Research – Real Users, Real Time, Real Research

Nate Bolt & Tony Tulathimutte

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  • 僕が主催予定ですが、上述の本とかぶりました!両方やりたいな〜どうしようかな〜。この際「リモートリサーチ」というお題にしてまとめてディスカッションしたらどうだろう。。お互いの本をふまえて、違いやメリデメを語り合うとか。そうなると、とても一回じゃ時間が足りなさそう。
  • 調査がちゃんと実践できることが重要なので、デモもやってみたいです。

個人的にチャレンジしたい本

今後、ちゃんと読みたいなーと思ってる本たちです。

UX系をはじめ、最近はモバイルやユビキタス、はたまた社会学的なものにも興味を持ってるので、時間と相談しながらぼちぼち提案していきたいと思ってます。

In the Bubble: Designing in a Complex World In the Bubble: Designing in a Complex World

The MIT Press 2006-04-01

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Sketching User Experiences: Getting the Design Right and the Right Design (Interactive Technologies) Sketching User Experiences: Getting the Design Right and the Right Design (Interactive Technologies)

Morgan Kaufmann 2007-04-24

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おわりに

最後に、自分への戒めをつぶやいておしまいにさせていただきます。

  • 英語の本をもっと速く読めるようになるべし(いっこうに楽にならない・・)。
  • 欧米の手法礼賛にならないように(自らも手法を開拓せよ、樽本さんらはその点、意識が高そう)。
  • 読んだことをちゃんと血肉にする(もっと仕組みを取り入れてもいいかな)。
  • プロの方々と、幅広く、もっと交流し、議論する(自分のアジェンダが必要)。
  • ユビキタス社会をより良くデザインするために、勉強してる(今年ぐらいから本格化しつつある)

以上です。他のプライベートなプロジェクトも含め、UXBC Tokyoには今後も精力的に参加していきたいと思います。