【感想】『これも自分と認めざるをえない展』

(かなり昔に書いたものを今更アップです。しかも超短い)

『これも自分と認めざるをえない展』(オフィシャルサイト)を見てきたメモを、実家から送られてきたピオーネを食べながら気ままに書いています。。

  • 身長、体重(衣服や荷物込み)というデータ程度で、容易に自分は特定されうる(特に荷物込みというのがポイントだったけど)
  • (日本人として生まれた以上)おおよそ幼い頃の体験は誰でも似たようなテンプレートで語れる

自分の感受性がいよいよ廃れたかと思ってしまうが、そこまでぐぐっとくる類いのものでなく、絶妙なニュアンスでなるほど〜確かに〜と思わされた感じだった。「ぐさぐさっ」という感じではなく、「ピコンっ」という印象。これが佐藤雅彦さんぽいのかもしれない。

属性情報って、扱い方でこうも面白くも恥ずかしくもあるものだなと、爽やかに関心させられた。

一番勉強になったのは、インタラクション満載の展示会で、特にインストラクターの力を借りずに身一つでいろんなデリケートな驚きや発見ができる、システムの誘導の仕方がとても秀逸なところだった。


「自分」の範囲はどこまでか

「自分の範囲を広げる」という認識を持つことは可能だろうか。
自分は自分を大事にするという前提があれば、「自分の範囲が広がる」ことで、少しは世の中のためになるだろうか。

常日頃からインタフェースだなんだと言っているが、自分と外界のインタフェース(界面)は浮き彫りになりつつも、頭の中のイメージとしては徐々に消失する方向に向かっているのを感じなくはない。
普段からネットばかり使っていることで、モノを物でなく情報として扱う習癖が身に付いてしまったからだろうか、物理的な界面は、情報を扱うかのごとく簡単に越えられる気がしてしまう。

自分はモノとの界面を越えて、「自分の範囲を広げる」ことでテンションがあがるだろうか。

妄想その1)
出勤中に、自分を中心とした半径10mの球を思い描いてみた。外で道を歩いていて、自分の半径10m以内のモノは全て自分だと認識するよう努める。半径10m以内の地面のアスファルトの上にゴミが落ちていたら、それを払いのけたくなるかもしれない、ゴミが減るのかもしれないと超楽観的なことを思った。
しかし、その辺のアスファルトや草木や土も含めて同化感を味わうのは、何か妙な快感を覚える。しっかりした大きな物と同化することは、まさに地に足が付き根っこまで生えたような安心感がなくはない。

妄想その2)
今度は自分の友達は、自分だと認識する。これは意外と簡単かと思いきや、アスファルトと違って同化感は想起できなかった。
自分の子供でもない限り、自分の一部と認識することは難しそうだ。「意識を共有する」ようなことは妄想できるかもしれないが、まだ自分には糸口がない気がする。

さて、自分は何か大きなものの部分であり、全体でもあるという認識を持つこと。自分自身を海原の一つの揺らぎとしてイメージするような。よくSFで、地球上のあらゆるネットワークにコネクトして、自分という個と大きな一体感を同時に認識するような状態。楳図かずおの『わたしは慎吾』の慎吾のように、「わたしは丸になった!」状態。

そういう現象・状態は想像できるが、そこに向かわせるモチベーションが何なのかがちゃんと分からなかった。

マズローの欲求5段階説をご存知だろうが、5段階の上があることはご存知だろうか?
はじめ、「自分の範囲が広がる」「大きなものとつながる」ことは3段階目「所属と愛の欲求」なのかなと思ったが、Wikipediaによると、実は5段階のもう一つ上に「自己超越」という定義があることを知った。彼の考えによると、自己超越の特徴は「統合された意識を持つ」とか「多視点的な思考ができる」とか「「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている」などがあるそうで、人口の2%のみが自己超越者(transcenders)の域に達しているそうだ。

最近の日本は、マズローの5段階目「自己実現の欲求」で盛り上がってると感じているが、いつかその欲求がおさまる(満たされる)と、今度は「自己超越の欲求」をテーマにしたような、宗教チックな自己啓発本がちまたにあふれ出すのだろうか(なんかやーね)。

だから個人的には、「自己超越の欲求」を満たす一つのヒントとして、超越のちょっと手前のような「自分の範囲を広げる」ことが何か発想を広げてくれるのではと思って、妄想している。ただ、観念レベルではなく、物理的な行動レベルのインフラをデザインすることに僕自身は関心がある(あくまで心->行動->習癖->品性->運命の枠組みが好きで、「行動」をよくデザインすることをミッションと思い込んでいる)。Brenda LaurelさんのDesigned Animismなんかは、大いにテンションがあがる。

ユビキタス/複合現実感のような現実世界とデジタル・インターネットが融合した世界を描く際、僕らはどんな本質的な要件がありうるのだろうか、自分としてもテンションあがる要件は何なのか(笑)、最近そればかりをよく考えている。その中で、もしかすると「自己超越」的な欲望がドライブするかもしれない、「どこまでが自分か?」と問うことがヒントになるかもしれない、と思った。


#personal memo: 上海〜志まで

運動不足解消のために夕方走ってみたはいいけれど、喉が乾いて渇いて寝付けません。

超簡単ですが、このお盆休みのイベントを、グッときた順に3位までおさらいしておこうと思います。

1位:上海旅行
・大通りの南京路から、川沿いの外灘=通称Bund(バンド)へと向かう、ぶっとい人のベクトルが忘れられない。バンドから、中国経済の象徴である高層ビル群が望めるが、まるで憧れの聖地へと向かう巡礼者のようだった。
・僕が出会った上海の人々のQOLは、日本人より総じて高いと感じた。バブル?
・とにかくみんな英語が喋れて、日常的な付き合いがグローバル。「東京の女性は英語しゃべれないしね〜」なんつってた。
・旅行中・後に書いた、非常に多くのメモがありますが、おいおい気分に任せてブログに書こうかと思います。

2位:とある人物からのコンタクト
・無駄に秘密にしておこうと思いますw
・非常にテンションあがりました。

3位:田坂広志さんのPodcast「なぜ、我々は「志」を抱いて生きるのか」
・「人は必ず死ぬ。」「自分のこの人生をもう一度生きたいと思うか。」
・とあるピッチャーに何試合も抑え込まれていたときのイチローのコメント「彼は僕の可能性を広げてくれる素晴らしいピッチャーだ」。
・声が徳永英明。
・渋谷をだらだら歩きながら聞くと余計にグッときますよ。
・PodcastのURL:http://www.sophiabank.co.jp/radiostation/podcast.xml

おまけ
sprmari0さんのtweetで見つけた、AppleのJonathan Iveの逸話にもグッときました。西堀 晋さんって、よく見たら代官山Airのカフェで同席させていただいたことがある!ソニエリの携帯のボタンをやたらいじってた記憶が。

「Appleに入って一番感動した事として、嫁が入院したときに、2日間だけ休みを取りたいと上司のJonathan Iveに話したら、『仕事のために働いているんじゃない。家族のためにみんな働いている。だから1週間休め』と言われた事に感動した」 – 西堀 晋

以上になります。


#personal memo: Service Design事始め

半ば趣味的だけども、Service Designにキャッチアップして考えを膨らませていくための手がかりメモ。

まず、個人的にService Designに好奇心をくすぐられている点は以下の通り。

  • リアル〜バーチャル関わらず、人々との様々なタッチポイントでのコミュニケーションシナリオを、UCDつまりユーザ中心のアプローチで設計する。
  • 必要に応じて、ソフトウェア/ハードウェアを作る。
  • ユーザの行動ログと紐づけたコミュニケーションの最適化。ウェブ的なアプローチ。ビジネスインテリジェンス。
  • ユビキタス、everywareの要件を定義できる時代へ(向けたパッションを感じる)。
  • 公共交通手段や、公共施設、都市に関われるチャンスかもしれない。
  • 例えば、図書館のService Designに興味がある。
  • 例えば、「ユニクロを着る」とは「ユニクロというサービス・体験を着る」ことに本質的になっていく。

相変わらずの手段が目的化っぷりw。これにより何を達成しなければならないだろうか。こちらがビジョンとなるだろうから、引き続き検討する必要がある。

  • 最近の個人的テーマとなっている「ネットが感動につながる」(感動ばかりもしていられないけど、たまには)。
  • 利用者も、提供者側も楽になること。そう、ITで(ITから)もっと楽になりたい。ネットやコンピュータで、本当にもっと「いちいち」を全部無くしたい。
  • 感動への一つのポイントとして、ネットをもっと生身の身体(からだ)に近づけられるように。flesh-and-blood。
  • 日本人の「おもてなし力」そのまんま活かして、世界に誇るサービスを提供する(※UXの訳とかなんとかは置いといて)。

さて、Service Designに関して強力なソースを一つ発見。こちらのブログ。

Design for Service – Research, patterns and observation

フリーのデザインコンサルタント、Jeff Howard氏による特設ブログ。うなるほどの資料がまとまっている。ちょうど最新の記事が、“Summer Reading for Service Designers”となっていた。Service Designerのための書籍集がまとまっている。。なんて親切な・・。

以下の2冊は、書籍集の中でhigh-ratedの評価を受けており、どちらも部分的にフリーのPDFもあるようだから、通勤時にでもさらりと見てみようか。

The Journey to the Interface: How Public Service Design Can Connect Users to Reform
The Journey to the Interface: How Public Service Design Can Connect Users to Reform Sophia Parker Joe Heapy

Demos 2006-07-26
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上記はなんと、CCライセンスのPDFを、丸っとダウンロード可能。

Business Model Generation: A Handbook for Visionaries, Game Changers, and Challengers
Business Model Generation: A Handbook for Visionaries, Game Changers, and Challengers Alexander Osterwalder Yves Pigneur

Wiley 2010-07-06
売り上げランキング : 27520

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こちらは、まだ発売前(なぜhigh-ratedなの?)。こちらから前半72ページのPDFはフリーでダウンロード可能。

しかし、Service Designって体当たりでぶつかっても話が壮大過ぎる。
いま実行するとしたら、位置情報絡みとかその辺りから行くのがいいのかしらね。


第1回インタラクションデザイン研究会@東大で個人的に得たもの

先日6/19(土)に、東大で開催された「インタラクションデザイン研究会」に参加してきました。

スピーカーは慶応大学の増井教授、稲見教授、チームラボの猪子さん、takramの田川さんの4名で、さりげなく客席側にも山中俊治さん、暦本純一さんとホンマにありえんと思えるほど、一線の方々が一同に会する場でした。幹事の坂本さん、渡邊さんには感謝しています!本当にお疲れさまでした。また、会のヴィジョンとして、「インタラクションデザインを日本の産業の中核に据える」を掲げており、とても共感しています。運営チームもほぼ同い年で、 自分も貢献すべきと気持ちを新たに出来ました。

なお、会の内容について知りたい方は、下記の記事等をご参照ください。

さて、個人的な参加の目的は、インタラクションデザインについて今後の課題や論点は何だろなーと、そのヒントを得ることでした。そして、皆さんの発表・ディスカッションから以下のことを持ち帰れました(多くが最中に妄想したことばかりで、会の内容とは間接的ですw)。

  • デザイン対象となるインタフェース(界面)は、人の外側(プロダクト、物質)から内側(近年のつながりや感動といった本能的、情動的なもの、「テンション」「質量のないもの」(by猪子さん))に向かっている。
  • セルフサービスを支援するものをデザインしていく必要がある(ネットじゃ当たり前の前提ですが)。
  • プロトタイピングは、何をデザインすべきかという要件を洗い出すのにやっぱり有用(build to thinkマンセー)。
  • アウトプットのKPIの一つとして、コロンブス指数=インパクト/シンプル (by増井さん)ってのがありえる。
  • 製品/サービスはどんどんチューニングされる時代であり、チューニングのプロセスや思想もデザインの対象となる(田川さんリスペクト)。
  • インタラクションデザイン界には、クラフトマンを束ねるアントレプレナーが必要(その点で、猪子さんが輝いてた)。
  • 日本市場でやってくことの意義の一つは、世界的に見てレベルの高い消費者がいることじゃないだろうか(原研哉さんの『デザインのデザイン』リスペクト)。

どーでもいいですが、増井さん・田川さんは上半身の人、稲見さん・猪子さんは下半身の人という印象でした(笑)。どっちも大切ですが。

第1回の説明文に「インタラクション業界を外観すると同時に、私たちが向かう方向性について」とあったのですが、それが目的だとしたら目標意識が甘かったんじゃなかなーという印象でした。ただ、「インタラクションデザインについて、俺たちは何を議論すべきなんだろうか。。」という空気が途中から生まれてきて、大きな課題意識を共有することは出来たんじゃないだろうかと思います。

今後については、今回参加者の50%が企業の人間だったことからも、もう少しビジネスや具体的な価値提供の視座を取り入れたらいいのではと思いました。AppleやIDEOだって、インタラクションデザイナーだけじゃ強くないだろうし。

個人的にはインタラクションデザイン×ビジネスのフロンティアとして、Service Designが面白そうだと思ってますんで、このブログでも今後その辺りをトピックに取り上げていきたいと思います。

なお、第2回は山中俊治さんと暦本さんの対談だそうです。こちらは話が割とソリッドになりそうなので、楽しみです。